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ウサギは、ウサギ目ウサギ科に属しており、ペットのウサギは愛玩用に改良された品種で、体型、被毛の長さ、毛並み、毛色などで細分化されている。もともと、ウサギは夜行性の動物のため、明け方と夕暮れ時には活発に活動するが、飼育下においては、ある程度は人の生活時間帯に順応する。
性格は温和で、人に従順な個体が多い。しかし、神経質で臆病な面を持っている為、環境の変化によって拒食を示す事もある。また、ウサギは盲腸便と呼ばれる特殊な糞を食べる習性(食糞)があり、異常な行動ではない。
飼育方法は、単独飼育・複数飼育のどちらでも問題はないが、複数飼育の際は個体間の相性の問題から、喧嘩やストレスを招く恐れもあるので気をつけなければならない。
ケージ内は、十分な広さのものを使用し、床敷となる牧草を敷き、餌容器や給水器などを設置する。床敷は、金網やスノコを使用すると、足底の損傷を引き起こすこともあるので、注意しなければならない。
また、ウサギは暑さに弱い。皮膚の汗腺が未発達である為に、熱を放散しにくい。環境温度が30.2℃以上になると、ストレスを感じ、体温が40.5℃以上になると神経症状を引き起こし、熱中症となるので、エアコンで温度を調節する。
給餌については、ウサギは草食性の為、牧草を中心に専用ペレットや野菜等を与える。常に餌容器に入れておくと良いであろう。急な食餌の変更には敏感に反応する為、拒食を示す場合がある。数日以上かけ、切り替えていくと良い。
また、食餌中のカルシウム濃度は、尿中のカルシウム濃度に比例する為、尿路結石を予防する為にも過剰なカルシウム含有には気をつけなければならない。ウサギの飲水量については、他の動物と比較して多い。飲水量が不足すると、採食量も減少し、尿路結石などの疾病が多発する。
その他、基本的なケアとしては、ケージから出しての運動やコミュニケーション、換毛期においてのブラッシング、歯の咬耗促進による過長予防、爪切りなどを行う。ウサギはストレスにより、毛咬みや自咬症、拒食や軟便などがみられるため、ストレスを最小限にしたケアを心がけなければならない。換毛・ブラッシングについては、被毛は春と秋に換毛が見られる。アンゴラ種やロップ種などの一部のウサギの換毛は特異的で、発毛部と脱毛部が同時に発生し、継ぎはぎ状に見えるため、アイランドスキンと呼ばれる。病的な状態ではない。ブラッシングを怠ると、毛繕いを過剰に行い、被毛を飲み込むと、胃のうっ滞や毛球症になるので、必ず行うべきであろう。
ウサギにおいて消化器疾患はよくみられるが、その中でもうっ滞の徴候が最も多い。うっ滞は毛球や異物が原因となる事が多く、これらで閉塞するとショック症状を示し、最悪の場合死亡する事もある。また、食餌の繊維質不足やストレスによる胃腸運動の低下も、うっ滞の原因となるので留意しなければならない。腸炎は幼体に多く、食欲不振、体重減少や脱水を起こし、致命的になる事もある。細菌やウィルス、寄生虫が原因となり、複合感染している事が多い。
カルシウム系の尿路結石が腎臓、膀胱、尿道などに形成される。血尿や頻尿、尿路閉塞による排尿痛等の症状を示す。
肺炎は細菌感染の複合感染、子宮や乳腺癌からの肺転移が原因となる事が多い。初期は無症状もしくは鼻汁や眼脂がみられる程度で、ストレスにより進行する。鼻炎は、スナッフルとも呼ばれ、鼻性呼吸や異常音に用いられる俗称である。細菌感染が原因となる事が多い。
食餌による歯の咬耗不足等が原因となり、切歯および臼歯の過長が鼻涙管を圧迫し、流涙や眼球突出、根尖周囲膿瘍を引き起こす。
細菌性皮膚炎は、粗悪な環境(湿気やアンモニア)が原因で、尿や糞などの排泄物が、皮膚のバリア機構を阻害する。紅斑や脱毛がみられ、重症になると、びらんや潰瘍を引き起こす。ウサギの細菌性皮膚炎は、発生部位や皮湿が特異的で、湿性皮膚炎が多発する。潰瘍性足底皮膚炎も原因は同様で、ウサギは足底に肉球を欠くので、体重過多や硬い床が引き金となり、感染を引き起こす。
ウサギの梅毒(トレポネーマ)は、Treponema paraluiscuniculiの感染による性病である。伝搬方式は、交尾感染による。幼体での感染は、母親との接触が原因となる。陰茎や包皮、外陰部、肛門に紅斑や浮腫、びらんを生じ、毛繕いする事で鼻周りや口唇部に広がる。
皮膚糸状菌症は、免疫機能が低下した幼体に好発し、Trichophyton mentagrophytes,Microsporum gypseumが原因となる。鼻、四肢、耳介に紅斑や脱毛、鱗屑がみられる。
外部寄生虫では、ノミ類、ダニ類、マダニ類の寄生により、掻痒、鱗屑、脱毛、紅斑等がみられる。マダニ類の吸血性の寄生虫では、粘液水腫や野兎病などの病原体の媒介が懸念される。
コクシジウムは、腸内に寄生する原虫で、10種類のEimeria sppが存在し、それぞれ病原性が異なる。多くは、不顕性感染であるが、発症すると軟便や下痢を起こす。E.stiedaeのみ肝臓に寄生する。
高い所から落下する、ケージ内で四肢を引っかける事が原因となる。脊椎を骨折すると、脊髄が損傷し、後躯麻痺を伴い、排便困難や排尿困難を引き起こす事もある。
フェレットは、ネコ目イタチ科イタチ属に分類され、野生では存在しない家畜である。性格は好奇心旺盛で、人に慣れる動物である。
イタチの仲間は興奮すると、Weasel war danceと呼ばれる、背中を丸めて飛び跳ねる動作が見られる。基本的に声をあげることはないが、興奮や威嚇をする場合は「シャー」等の声を出す事がある。幼齢期では、興味あるものは何でも口に入れる傾向がある為、誤食に注意しなければならない。しかし、加齢と共に1日の多くの時間を睡眠に費やすようになる。フェレットの睡眠は深いため、起こしてもなかなか起きないのが特徴である。
飼う際の留意点としては、フェレットは狩猟能力が潜在的に残っており、狭い隙間に入り込んだり、小型げっ歯類や小鳥などに興味を持ち、鋭い犬歯と爪で襲う為、これらの小型ペットの同居は出来ない。
また、体臭は特有の臭いを持ち、肛門腺、肛門付近に分布するアポクリン腺、身体全体に分布する皮脂腺が体臭の源になる。危険を感じた時や興奮したと時は、肛門腺から強烈な臭気を放つ。フェレットは寒さに強く、暑さに弱い動物である。汗腺が未発達である為、約32度以上に耐えることが出来ない。理想温度は15~24℃、湿度は40~60%である。照明は12時間の明暗で飼育するのが理想的であり、光の周期は、内分泌軸に変調を与える大きな要因となり、副腎疾患や季節性の脱毛の原因となるので、きちんと管理しなければならない。
また、フェレットにはジステンパーや狂犬病ウィルスに対するワクチンや、フィラリア、ノミ・ダニなどの外部寄生虫に対する予防薬の投与を行う。しかし、日本ではフェレット用の予防薬は認可されておらず、犬や猫の薬剤を使用する。
給餌については、フェレットは肉食性である為、動物性原料が理想的であり、蛋白質と脂肪から栄養を得ている。消化管は短く、消化時間も短いことから、消化性の優れた食材が理想的である。
多くのフェレットは、同じペレットを飽きずに食べ続け、ペレット以外の食材は要求しないであろう。
巨大食道症は、食道筋が弛緩して食道腔が拡張し、慢性の嘔吐を繰り返す。原因の特定は難しく、炎症や異物、遺伝等が考えられる。胃炎や胃潰瘍は頻発し、ストレスや異物、腫瘍、副腎皮質ホルモンの投与などが原因となる。無症状である場合もあるが、食欲不振、嘔吐等の症状を示す。腸閉塞の原因は、異物摂取もしくは毛球症である。フェレットは、毛繕いを積極的に行わない為、大量の被毛を一度に沢山飲み込み、胃内で毛球が形成される事がある。よって、長毛種の場合は特に小まめなブラッシングが必要となる。また、フェレットは腸炎による下痢が多発する。原因は、細菌、真菌、ウィルス、寄生虫の感染による。慢性化すると削痩し、直腸脱も起こる。
肺炎は細菌、ウィルス、腫瘍が原因となる。インフルエンザウィルスは、人とフェレットの相互に感染する。伝搬様式は、鼻汁などの分泌物による直接感染あるいは飛沫による空気感染で、フェレットでは潜伏期間は短く、軽症例である場合が多い。
副腎からエストロゲンの性ホルモンの過剰分泌が起こり、脱毛、外陰部腫脹、前立腺過形成による排尿障害、削痩等が起こる。原因は、未熟期の性腺摘出手術や光周期問題などと言われ、副腎皮質の過形成や腫瘍が発生する。
膵臓のβ細胞の過形成や腫瘍により、過剰なインスリン分泌が起こり、低血糖となる。元気消失、虚脱、放心状態、悪心、痙攣等の神経症状が見られる。
フィラリア症は犬の病気として有名だが、フェレットにも感染する病気である。フェレットは犬に比べ体が小さく心臓も小さいため、1~2匹の感染でも重篤となる。感染した場合、治療はとても困難である。安全で有効な予防薬があるので、フィラリア症の予防を推奨したい。
ミンクで慢性的に発生するパルボウィルス科のアリューシャン病ウィルスによる感染症が、フェレットにも発生する。感染経路は、尿や体液から直接感染する。削痩、後肢麻痺、振戦等の症状がみられる。
耳ヒゼンダニが、外耳に寄生し、外耳道に黒褐色の耳垢が蓄積し、掻痒がみられる。放置すると、外耳炎に波及する事がある。
げっ歯類(齧歯類)の食餌はペレットを主食とし野菜、果物を少量与える。ヒマワリなどの過度の摂取は、肥満になるので、注意した量を与えると良い。
室温は、18~24度、湿度40~60%とし、冬場は、5度以下にすると冬眠する。
床材は杉、松のチップやおがくずは、ホルマリンアレルギーの原因となり呼吸器疾患、皮膚炎、発癌の原因と成りやすいので紙チップ材を使うと良い。
ハムスターは脱走の名人であり、寿命は1.5~3歳である。夜行性で良く喧嘩をする。
自然界では雑食性であり、昆虫、カエル、ヘビそして小麦、野菜、花、根である。
ハムスターとは、頬袋に餌を貯める習性がありドイツ語由来の呼び方で食料を買いだめする意が有る。食事はペレットフードを与えるがゴールデンハムスターは生後7日~10日、チャイニーズが生後12日、ジャンガリアンは生後10日で固形フードを与えられる。 ペレットを主体として(50~70%)、種や果実を混ぜたミックスも与えるが量は少量とする。飲水は吊るす高さを考慮して水漏れに注意する。 ゴールデンが、8.5ml/100gBW、成長期15~20mlである。
禁止食事は、お菓子、糖分の過剰は早死になる。粘稠性のキャンデー、チョコレートは中毒になる。ポテトチップスは油の処置がされ脂過剰を招く。 食器は小さな容器とし、過剰な量を何時でもどうぞは避けるべきで、肥満に注意する。
ラットは、利口で咬むことが少なく夜行性である。雌雄別々に飼育すべきである。室温は平均22.2度とし12時間毎の照明と暗がりが良い、絶え間ない照明は、繁殖周期を抑制する。寿命は2~3.5年である。
マウスは臆病で縄張り争いをするので雌雄別々の飼育が必要である。昼夜を問わず活動する。子育て中は巣での防衛攻撃をする。2週齢から柔らかいペレットを与えられる。寿命は約2年で短命である。故に多産であり、子供を食べられないよう注意が必要である。
スナネズミは友好的で咬む事はない。昼間の活動が多い。
穴掘りが好きで、かすかに鳴き、雌は雄より攻撃的である。縄張りのマーキングをする。ヘソの臭腺から黄褐色の分泌液を出す。ウサギと同じで、肢を踏み鳴らす動作は、警告と興奮、伝達である。
げっ歯類では、ストレスや病気に成ると赤色の眼漏や鼻汁が見られる。兎と同様に切歯は歯根が開いており延びやすいので不正咬合となるので削る事が必要である。骨折は、落下やゲージに挟まれて起こりやすい。闘争を避け、逃げられないよう飼育ゲージを工夫する。
モルモットは、テンジクネズミ科の齧歯類で、南米国の山岳地帯に生息する。ペットとして飼育し易い。
寿命は3~5年と短命である。
3年を過ぎると様々な病気になり易い。
ハリネズミは、食虫目ハリネズミ科ハリネズミ亜科に属する動物である。主に、昆虫や軟体動物などの無脊椎動物を食べている。ハリネズミ亜科に属するハリネズミはシベリアを除くユーラシア大陸とアフリカ大陸のほぼ全域に分布し、耕作地や森林など生息環境は多岐に渡り広い分布域を持っている。また、ハリネズミの種類によって冬眠する種やしない種などのいくつかの違いがある。ハリネズミの特徴は、なんと言っても全身を針がおおっていることであろう。針はおおよそ5000本ほど、長さは2~3cm程度ある。この針は体全体にあるのではなく背中だけにあり、お腹は少しかための毛がまばらに生えている。
ハリネズミは、基本的に単独生活を行なう夜行性の動物である。一晩に餌を探すために、数km移動する等、広い行動範囲を持つ活動的な動物だが、飼育下ではこのような環境を準備することは困難であり、多くのハリネズミが肥満している。よって、飼育方法につきましては、広く高さのあるケージで飼育する。床は金網を使用すると、四肢が落ち、引っかける事故が懸念される。ケージ内には、床敷を厚く敷くべきであろう。また、探索癖がある為、給餌器を引っ繰り返すので、重さのある陶製容器や大きめの平皿を用意し、ご飯を与えると良い。給餌については、飼育下でのハリネズミにいては、栄養供給量は明確でないため、明記する事が出来ないが、高タンパク、低脂肪のご飯が理想的とされる。ハリネズミ専用フードや、肥満用キャットフードを主体とし、その他、茹でたササミ、ゆで卵、チーズなどの動物性食と果物や野菜など植物性食を与える。また、軟体動物のミミズや、コオロギ等の昆虫類を与えるのも良い。
また、食事の中には水分を含んだ腐敗しやすいものが含まれることがある。このため、食事が腐るのを防止しなければならない。食事を探すために動き回ることで、運動をさせることなどを考えると、食事を与える最適な時間は、夜間にハリネズミが起き出し、食事を探すようになってから1~2時間してから与えるのがよいと考える。与える食事の量は、太りすぎないよう、ケージの大きさや個々の運動量に応じて与えることが基本だが、飼育下のハリネズミの多くは肥満傾向にあるため、定期的に体重を測定しながら食事の内容や与える量、運動量の調整をしていくことが理想的だ。ドライフードはそのまま与えるか、ふやかして柔らかくして与える方法があり、それぞれ一長一短がある。ドライフードを与えることは、歯を清潔に保ち歯石を予防するのに有効であろう。しかし、ドライフードやナッツ類や種子類、ニンジンなど大きく硬いフードは、顎に負担をかかり、歯と歯の間に挟まってしまい問題を起こすことがある。このため、ドライフードを与えるときはよく観察し、食べにくいようであれば、砕いて与えるかふやかしてから与える方が良いであろう。フードをふやかして与える場合には、歯石や歯周病の原因になることもあるが、ドライフードを食べてくれない子に対しては、動物用ミルクなどでふやかして与えることもできる。
ハリネズミの体温は、他の哺乳類と比べて低く、35~37℃であり、高温になると、熱の放散を行う事が出来ず、ストレスになる。一方、気温が17℃以下では、本来冬眠しないはずのハリネズミさえも休眠する事がある。理想の環境温度は、24℃~30℃なので、温度管理をきちんと行うべきである。
外傷は主に金網タイプのケージに四肢を挟まるか、タオル等の繊維に四肢が絡む事によって引き起こされる。損傷により、四肢が腫脹もしくは出血する事もある。
ハリネズミにおいて多くみられるのは、皮膚炎であろう。これらは、寄生虫感染、真菌が原因となる。ペットショップ等において、不衛生な環境におかれると、免疫力も低下するため、感染している事が多い。鱗屑(フケ)や脱毛、脱針等が見受けられ、ダニが寄生している場合は痒みも伴う。ヒゼンダニ類の皮膚穿孔性のダニは、耳道、顔に多く寄生し、体幹にまで及ぶ事がある。
肥満に関連した、脂肪肝が原因となる事が多い。カロリーの過剰摂取や、運動不足によって、引き起こされる。軽症では、無症状であるこが多いが、重篤になると、食欲不振、削痩、下痢、黄疸がみられる。
歯石や歯肉炎は、一般的に発生する。歯肉や口腔粘膜に炎症が起こり、口腔から出血することで、初めて気づくことが多いであろう。また、ハリネズミにおいて、口腔内に悪性腫瘍である扁平上皮癌が多発している。浸潤性が強く、骨融解を起こすため、採食困難となり、予後不良となる。
ハリネズミは、浅い眼窩で突出した眼球形態を持つため、突発的に眼球が突出する事も多い。突出した状態が続くと、角膜が傷つき、角膜潰瘍、眼内出血もしくは重症となると眼球破裂を引き起こす。
チンチラは、野生動物のなかでは絶滅危惧種であり、夜行性で寿命は、げっ歯類が平均7~8年だが、約10年以上生きる個体も有る。
飲水量:約30ml/日、採食量:約20g/日、妊娠期間:平均111日である。
特徴的な厚い美しい披毛を持つので、寒さに強いがブラシでの美容も必要である。劣性のアルビノとホワイトは、皮膚病、心臓病、眼科疾患(緑内障)に注意が必要である。
消化器は、ウサギと類似しており食糞(盲腸便)をおこなう。食物繊維が重要で、干し草の新しい物(カビが3カ月以上古いと生える)を与える事。ペレット(チンチラ用)を給餌するが、低蛋白であると乾燥肌なり毛咬みを示す、蛋白過剰では綿毛になる。
シマリスが、日本では売られており、小型で飼育し易いが機敏で逃げるので、つい尾を引っぱり断尾を招く。
生後6カ月から攻撃的になり咬みつくので子供向けではない。
子リスが離乳して1~2カ月からペットショップで販売される。
最初は、犬用ペットミルクから始める。
室温で良いが、乾燥に弱い動物であるため湿度を70~80%とする必要がある。餌をヒマワリばかりにすると、これのみしか食べなくなる。木の実、鳩の餌、文鳥の餌、ハムスターのペレット、その他果物、野菜、クルミ、ドングリ、ヨーグルトなどを与える。昆虫は、食欲のない時に使用する。
薬の投薬時は、リンゴやヨーグルトに混ぜると良い。
フクロモモンガは、カンガルー目フクロモモンガ科フクロモモンガ属に属する有袋類である。身体の大きさや外見からモモンガあるいはムササビと共に、げっ歯類であると思われがちだが、コアラやカンガルーと同じ有袋類の仲間である。
飛膜を持って滑走するイメージが強い動物であろう。フクロモモンガは、アメリカなど海外でも愛玩目的で飼育され、食事管理についても色々な情報があるが、日本では未だ十分な情報があるとは言えず、他のモモンガとは食性が異なるため、飼育下においては栄養性疾患に罹患する事が多い。
飼育方法としては、フクロモモンガは群居性の動物であるため、可能であれば複数で飼育する事が理想であるが、単独飼育であれば、十分に人と接触をもった関係を保つべきである。
また、飼育下ではストレスによる自咬症が好発する為、ストレスを溜めないことが重要である。フクロモモンガは、活発な動物であるために、活動する空間として、大きく高さのあるケージを使用すると良いであろう。ケージ内には枝や棚、身を隠すことの出来る巣箱や小屋、袋も用意する。暗い環境はフクロモモンガを精神的にリラックスさせる。
なお、排泄は決まった場所にする習性は乏しく、トイレを覚えにくい。そのため、ケージを小まめに掃除する必要がある。理想環境温度は高く、24~27℃である。夏季はエアコン、冬季は保温器具等で温度管理を行う。なお、フクロモモンガは21℃以下にすると休眠状態に陥る。休眠は体温を約15℃程度に下げ、代謝を低下させ、活動も採食量も減るため、一見すると病気と間違いやすい。
夜行性のため、太陽光を浴びさせる必要はない。飼う際の注意点としては、フクロモモンガは警戒心が強い為、幼少期からコミュニケーションをとり、人に慣れさせなければならない。人に慣らすには「臭い」が重要となり、人のにおいのする袋(巾着やポーチ等)に入れ、徐々にスキンシップをとるようにすると良いであろう。
給餌については、フクロモモンガは雑食性の動物で、給餌の選り好みも強く、栄養バランスを保つことが難しい。特に、甘みの強い果物が好物であるが、多くの果物はたんぱく質やカルシウム含有量が少ない。
基本的には、専用ペレットを中心に、果物や野菜、昆虫等も与え、偏食する場合は代替法として、食餌にカルシウムやビタミンD、アミノ酸が含まれたサプリメントを添加すると良いであろう。
フクロモモンガは夜行性のため、食事は夕方から夜にかけて与え、また、樹上棲動物のため餌入れや水入れはケージの底ではなくケージの高い部分に設置する。
ペットとしてのフクロモモンガは、疾病に対する研究が進んでいないため、ストレスによる自咬症、栄養性の代謝性疾患が起こるのは、適切な飼育方法が定まっていないことによって起こる。
ケージ内での損傷や咬傷が主な原因となり、脱毛や紅斑、皮膚炎等が見られ、自咬症も併発しやすい。
低カルシウム血症は、不適切な食餌によるカルシウム欠乏を原因とする、骨及びカルシウムの代謝障害である。骨の形成障害によって、骨軟化症や骨粗鬆症が起こり、骨の変形、骨折の為、異常歩行がみられる。低カルシウム血症を起こすと、振戦を含む神経症状が発現する。
白内障は、水晶体が白濁し、視覚障害が起こり、活動性の低下を引き起こす。先天的もしくは、糖尿病やビタミンA欠乏症が原因となる事が多い。
ペットとして最もよくみられるのは、スローロリス、リスザルやマーモセット、フサオマキザルがペットとして飼育されている。サルの分類によって、必要とする栄養素が異なるという点は留意しなければならない。
サルの飼育には、環境や食餌を考慮する事に加え、飼育に関する法規も数多くある。購入する前に、人獣共通感染症に関する知識や公衆衛生的なリスクも把握しなければならない。飼育する際は費用もかかり、成体になると攻撃的になる可能性もあるため、その点は飼う前に心構えが必要となるであろう。また、知能が高いために、的確なしつけを行わなければ、人に対して被害を及ぼす可能性もあることを考えなければならない。
食餌は、サル用のペレットを中心に野菜や果物、昆虫(コオロギ、ミールワーム等)、動物性たんぱく質(茹で卵、ヨーグルト、ピンクマウス等)を与えると良いであろう。コモンマーモセットやリスザル、フサオオマキザルは、体内でビタミンCを合成する事が出来ない為、食餌からビタミンCを補給しなければならない。ペレットに含有はしているものの、劣化の問題もあるため、果物や野菜はしっかり摂取させる。おやつとしてサル用のビスケット、ヒマワリの種やその他の種子類やナッツ類、穀物類を与えても良いであろう。
また、サル類は食べ物を食べる際に食べ散らかし無駄が多いため、一日に必要な量を2~3回に分けて少し多めに与えることが推奨されている。ヒトと同様に様々な食事をサル類に与え、選り好みなく食べさせることができれば、栄養学的に大きな問題が生じることはないと思われる。
しかし、実際には、ヒトの食べ物を与えることで好き嫌いが激しくなり、健康状態に悪影響を与えることが多いので気をつけなければならない。また、犬や猫などには与えてはいけないチョコレートは、霊長類では大きな問題となることはなく、海外の専門的な施設でもおやつとして与えられることもあるようだが、タマネギは犬猫同様、ヒトを除く霊長類でも溶血性貧血の原因となることが確認されているため、与えるべきではない。
特にマーモセットなど小型のサル類では、オニオンパウダーが入ったヒト用食品の使用は避けるなどの注意も必要となる。
サルの代表的な栄養性疾患として、カルシウムやビタミンDの欠乏によるクル病や、ビタミンC欠乏による壊血病などがある。クル病や低カルシウム血症はマーモセットなど小型サルでみられることが多い。症状は、突然の運動失調や骨折を主訴に来院することが多く、原因は食事内容が不適切であることによる。病気の初期にはカルシウム剤やビタミンD3の補給、紫外線ライトの設置などにより、多くの場合は状態の改善が期待できる。ビタミンCの欠乏は、サルの種類を問わず見られるが、最も多く動物病院に来院する種類はリスザルである。特徴的な症状として、ターバンヘッドと呼ばれる頭部に形成される巨大な血腫(血の塊)があり、その他、歯肉からの出血やレントゲン検査で骨の異常などがみられる。栄養性疾患や食事に関連した病気が確認された場合は、その原因となっている単一のビタミンやミネラルの補給や改善だけに注目するのではなく、食事内容全体、さらに食事や栄養剤の与え方、紫外線ライトの設置や衛生面の管理など、飼育管理全体で問題点がないか再度確認していくことが非常に重要となる。
サルは手先が器用である為、掻痒により擦り傷を作りやすく、皮膚炎を引き起こす事が多い。また、ケージや玩具による損傷、同居サルからの咬傷、ヒーターによる火傷、ストレスによる自咬にも気をつけなければならない。
一気に多量に食べてしまうために生じると思われる、急性の胃拡張や餌用昆虫やゴキブリなどが媒介する寄生虫性疾患、肥満、歯石などの歯科疾患などに気をつけなければならない。
鳥類には、オウム科、燕雀類と柔らかな嘴を持つ鳥、鳩、家禽と水鳥、猛禽、及び走鳥類に分かれる。
ここでは主にコンパニオンバードに絞らせてもらいます。
好ましいオオム(セキセイインコ、オカメインコ、ボタンインコ、ヨウム、etc)は、人工繁殖、人工哺育した鳥である。体色の色素変異種は、病気には弱く、短命、近親交配による遺伝性疾患が見られる。灰色のオカメインコと緑色のセキセイインコは長生きをする傾向にある。
オオムは、遊び好きで良くしゃべり好奇心が有り、金属(鉛の重り)や尖がった物を齧るので与えない。この時は、鉛中毒、嘴破損が見られる。
自由に飛ばすことは、逃走の危険性はもちろんのこと、換気扇などでの事故を招き、骨折や異物採取(中毒(タバコ)、チョコレート、アボガド、塩、アルコール、観葉植物、熱いお湯や油、農薬)などの危険性があるため避けるべきである。
飼育は、巣箱、隠れ箱を用意して、部屋は広く杉材を使わず、餌に糞が入らないよう位置を確認して、清潔な水を置いて、水浴び用の容器も用意する。
寿命は、セキセイインコ、オカメインコが平均6年、ボタンインコは平均4年、ヨウムとボウシインコ、バタン、コンゴウインコが平均15年である。
鳥の餌は、鳥種により分けられて販売されており、嗜好性を観て選別すべきである。
混合飼料には古い種子があり、栄養価が低くカビや細菌で汚染されている場合があり、高脂肪、低蛋白質、低ビタミン、低ミネラルが多い。即ち、高脂肪食と運動不足が、肥満を招き栄養失調と成りやすい。野菜が不足すると必須蛋白、ビタミン、ミネラル不足に至るので、新鮮な野菜を与える必要がある。
ハト科に含まれる種類は313種であり、小型のコビトアオハトからニワトリ大のカンムリハトまで様々である。一般に飼育されているのはドバトである。その他、レース用、食用、観賞用と200以上の多様な品種が改良されている。
特に繁殖時期に、羽根で叩く鳩の攻撃が見られる。主にレースバトでは、繁殖や訓練を繰り返す毎に鳩小屋への帰巣本能をより高められる。
餌は、ピジョンフードを使うが、鳩を飼う目的、栄養要求量、運動量、環境、繁殖時期、換羽期により調整するべきである。
新しく購入した鳩は、すべて隔離し、検査(検便、トリコモナス検査、鳩痘、ニューカッスル病、サルモネラ症)と診察を受けた後に、検疫期間を設けて健康を確認してから鳩舎に入れる。
健康診断は、そ嚢の検査、糞便、眼科、羽虫、血液検査、サルモネラ培養がある。
ワクチンは、鳩痘(鶏痘のワクチンを塗布)、ニューカッスルワクチンを定期的に接種する。