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爬虫類の病気や飼育について

爬虫類とは?

 両生類は魚類から進化し、陸上生活にも対応できる能力を身に付けた一群である。その為、水中から乾燥した陸上まで幅広い環境に適応するような進化を遂げた。その結果、種類ごとの解剖学的特徴、生理学的特徴の相違が大きい。

 両生類は、爬虫類よりも低い温度を好むため、飼育下で保温が必要とされるのは、真冬のみである。また、一般的に両生類は夜行性で暗いところを好むので、隠れられる場所を作り、強い照明は避けるべきであろう。また、飼育において重要なのは、ある程度の湿度で保った環境での飼育が必要だ。
 しかし、換気も重要な要因で、常に湿気のあるジメジメした状態であると、成長不良を生じると共に、細菌性・真菌性皮膚炎を生じやすいので注意すべきである。また、両生類は皮膚から粘液や毒性物質を分泌するため、飼い主様は掃除などで身体に触れた際には必ず手洗い、消毒をすべきであろう。

サンショウウオ

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 これらは温帯~亜熱帯にかけて分布する為、寒い冬以外は保温の設備は不要であるが、高温には弱く、夏はケージにクーラー等が当たる所で生活させるべきであろう。イモリは半水棲の種類が多く、1年のうち数カ月を水中ですごすため、遊泳に適した平たい尾を持っている事が多い。
 一方、サンショウウオは陸生の種類が多く、幼生期と繁殖期のみを水中で過ごす。ペットとして飼育・販売されているものは、成体のものがほとんどであろう。

 イモリの飼育方法は、単独飼育、多頭飼育ともに可能である。しかし、イモリは視力が弱いため、多頭飼育すると、同居個体の四肢を餌と間違えて咬みつき、怪我をさせてしまう事も少なくない。多頭飼育の場合、ケージを大きくして十分な広さを確保し、水草などで仕切りを作るなどの工夫が必要となる。
また、イモリは基本的に半水棲種であるため、水場と陸場を設ける。水はカルキ抜きをしたものを使い、水深は体長と同程度かそれ以下を目安にする。陸場は流木や石を積み上げても作れるが、完全に乾燥した陸地は好まないため、水ゴケなどを敷いて湿度を保つと良い。至適環境温度域は10~20℃であり、涼しい環境を好むため、上限は25℃を超えないようにする。
温度管理の重要な時期は、夏と冬であろう。特に夏の高温には注意し、水温を下げる対策が必要となる。食餌はイトミミズやアカムシなどを与えると良い。イモリ用のペレットは、栄養バランスに優れ、水質の悪化も少なくて済むため、推奨される。ただし、餌が長時間残った場合は腐敗するので、取り除くと良い。

 サンショウウオは、飼育下では不活発な種類が多く、乾燥や衛生状態に配慮すれば、体長の割には大きなケージは不要である。ただし、壁を容易に登って脱走してしまうので、しっかりと蓋をしなければならない。蓋はステンレスメッシュ製や、孔開きタイプのプラスチック製などで通気性の良いもの選ぶ。基本的に陸棲ではあるが、ある程度の湿度を維持しないといけないため、床敷は保湿性の高い水ゴケ等を使用する。
また、サンショウウオは薄明薄暮性で、地上・地中棲傾向が強いため、陸上には身体を隠す流木や植物、岩など必ず隠れられるスペースを設ける。

 至適温度は10~20℃であり、特に夏場は高温には気をつけなければならない。また、床敷が排泄物などで汚染されてしまうと、アンモニアが体表から吸収されて自家中毒を起こすため、こまめに取り換える必要がある。給餌は、イモリ用ペレットやコオロギ、ミルワームなどの昆虫等を与えると良いであろう。

 

アホロートル(ウーパールーパー)

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 アホロートル(ウーパールーパー)の飼育方法は、基本的に単独で飼育するのが好ましい。アホロートルは目の前で動くものに反応するため、身体の大きさが異なる個体を一緒に飼育すると、共食いや給餌の際に間違えて同居個体の四肢や外鰓に咬みついてしまうことがある。完全水棲で、基本的にある程度の深さのある水の張った水槽で飼育する。水はカルキ抜きしたものを使用する。水深は肺呼吸を行う際に、簡単に水面に出られるくらいが良い。
時々、水面で息継ぎをしている様子が見られる。また、水槽の中には水草や流木など、身を隠せるものを入れると、ストレス防止になる。

 至適温度は5~15℃で、水温の上限は20℃くらいまでに抑える。特に夏場の高温期は、水温には気をつけなければならない。また、水質の悪化に極めて弱いため、掃除や水替えを小まめに行うか、高性能の濾過器を使用しないと、皮膚炎を起こしやすくなる。
そして、アホロートルは肺呼吸以外にも鰓や皮膚での呼吸も行うので、水中の酸素量を増やすためにも、エアレーションが必要となってくる。給餌は専用のペレット、イトミミズ、アカムシ、大きな個体であれば、小魚、メダカ、小エビなども良い。基本的には動くものに反応するため、真上から餌を落とすと食いつくであろう。

カエル

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 両生類の中でペットとして特に人気が高いのは、カエルであろう。棲息環境によって、樹上棲・地上棲・半水棲・水棲の4グループに分けられる。
樹上棲のカエルは、アマガエルやアオガエル、地上棲のカエルはヒキガエルやツノガエルの仲間が分類される。半水棲はアカガエルやスズガエル、トノサマガエル、水棲のカエルはツメガエル等が飼育されている。飼育方法は、棲息種によって違ってくるのに留意すべきである。

 樹上棲のカエルは、吸盤で壁を登り、垂直方向への移動が大きいため、高さのあるプラスチック、アクリル、ガラス製のケースや水槽を用意する。水槽で飼育する場合は、蓋をしないと脱走するので注意する。蓋は、ステンレス製や孔のあいたプラスチック製等の通気性の良いものを選ぶと良い。ただし、小型の種類の場合は孔の大きさに気をつけなければならない。

 カエルの大きさに合わせて木や葉などの植物を置いてあげるのも、自然に近い状態となるであろう。カエルが植物に登り、必要に応じて湿度をコントロールできるからだ。また、カエルは排泄物などで汚染された環境に置かれると、アンモニアが体表から吸収されて自然中毒を起こすので、床敷きは汚れたら頻繁に交換しなければならない。カエルは乾燥に弱く、高温度の環境を好むため、1日に数回霧吹きするか、大きめの水容器を用意すべきであろう。これらは、ケージ内の湿度を保つだけでなく、カエルが水に入ることもできるので使用した方が良い。理想の湿度は約80%であり、至適温度は20~28%である。低温に弱いので、冬の時期はヒーター等を敷いて調節する。

 給餌に関しては、基本的に動くものしか食べないため、コオロギ、ミルワーム、バッタ等の生き餌を与える。樹上棲のカエルは、ハエ等の飛翔するものを好む傾向がある。目の前でピンセット等を使い、動かすと、食べる個体も多い。カエルによって食べる量も異なってくるので、回数や量を調整すべきである。

 地上棲のカエルは、身体が丈夫であり、気に入った場所からほとんど移動しないため、大型の容器は不要である。しかし、ツノガエルは動くもの全てを餌として認識してしまう為、共食いする可能性が高く、単独飼育が好ましい。一般的に活動性は低く、落ち着いた環境であれば動きまわることは少ない。肢には吸盤を欠くため、容器の壁によじ登ったりすることは出来ない。しかし、何らかの拍子で飛び跳ねてしまう事はあるので、通気性の良い蓋をすべきであろう。  ツノガエルの理想的な湿度は80%前後であり、周囲が乾燥してくると背側の皮膚が乾き始め、目を閉じうずくまり、休眠状態に入ってしまう。したがって、湿度を保つ飼育環境を作らなければならない。ヤシガラや水ゴケ等の床敷きを使用すると良い。また、樹上棲同様、小まめに床敷きを交換すべきである。また、水槽やケージにおぼれない程度の少量の水を張り、毎日水換えを行い、清潔な状態を保ち、排泄物で汚れた際には常に取り換えた方が良い。ツノガエルの至適温度は22~28℃であり、冬の低温には十分に気をつけなければならない。給餌は、コオロギやミルワーム、金魚やメダカ等を与えると良いであろう。しかし、ツノガエルは大食漢であり、与えすぎてしまうと腹部膨満となり、消化管のうっ滞を起こすので注意が必要である。

【両生類の主な疾病】

外傷

 ケージの壁、樹木や岩にぶつかり、皮膚の裂傷や潰瘍となる事が多い。また、過密状態で飼育すると、同居個体が四肢や尻尾を咬み、咬傷を負う事も多い。

皮膚炎

 細菌性皮膚炎、真菌性皮膚炎を引き起こす事が多い。細菌性皮膚炎は、輸送のストレス、不衛生な環境、不衛生な水質が原因であるといえる。皮膚に発赤や炎症、びらんや潰瘍が見受けられ、カエルでは特に多く、赤肢病(Red leg)と呼ばれる。

 重症例となると、全身性となり、敗血症も引き起こし、皮膚の変色や浮腫、肝不全、腎不全といった多臓器不全をも併発する。真菌性皮膚炎においては、水かび病とも言われ、水棲種に多発する。一般的には、皮膚の免疫力低下によって起こりやすくなり、外傷等の患部に2次的に発生し、皮膚の白変や肥厚がみられる。

消化管のうっ滞、異物

 両生類は餌を食べる際に、誤って砂利や水床の異物を一緒に飲み込むことが多い。通常は排出されるが、消化管を通過できないほどの大きさの物を飲み込んだ場合、消化管内で閉塞してしまう恐れもある。症状としては、食欲不振、嘔吐、元気消失、腹部膨満が見られ、レントゲン検査において、不透過性の砂利は容易に診断する事が出来る。

総排泄腔脱

 総排泄腔から組織が反転して、逸脱が起きる。原因は、消化管のうっ滞や下痢、低カルシウム血症、下痢や肥満等があげられる。

寄生虫の感染

 両生類は寄生虫の中間宿主になる事が多い。感染していても、無症状である事も多いが、食欲不振、削痩、下痢等を引き起こす。

浮上病

 アホロートル(ウーパールーパー)に多発し、水の中で遊泳出来ずに浮いてしまう。本来ならば、寒冷な水の中で棲息しているが、飼育下では夏になると水温が上昇し、消化管内にガスが発生して鼓脹症を引き起こす。

眼疾患

 眼疾患は、目が大きく張り出しているようなカエルに多く見られる。跳躍に際に眼球に外傷を負い、視覚障害を引き起こすこともある。

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